聴力低下を考慮して接することが大切

日本では、一般的に65歳以上の方に対して高齢者という言葉を使います。65歳といえば、定年を迎えて第2の人生を始めているころかもしれません。また、息子や娘が子供を授かり孫の世話をしているという方もいるでしょう。このように、65歳という年齢は人生において大きな転機を迎えている年齢といえます。
しかしそれと同時に、65歳以前と比べて徐々に身体機能が衰えていく年齢でもあります。例えば、聴力の低下です。一般的に、聴力は30代から徐々に低下していきます。そして60代頃からはその変化が顕著に表れると言われています。

高齢者と接しているとき、話しかけても返事が返ってこなかったり、思うような返事が返ってこなかったりすることはないでしょうか。それは、高齢による難聴が原因かもしれません。何度も聞き返されたり、期待していない返答が返ってくると、どうしてももどかしく感じてしまうかもしれません。しかし、そこで高齢者に強くあたってしまうと、話し相手の高齢者を傷つける上に、一向に事態が解決せずにこちらもフラストレーションがたまるなど、何もいいことはありません。
もしも会話に不便を感じたときは、大きく口を開けることを意識して、はっきりと大きな声で話しかけましょう。ただ大声で話すのではなく、あくまで落ち着いたトーンを心がけることが大切です。その細かな工夫だけで、会話がもっとスムーズに楽しめるものになるはずです。高齢者に接する際はもちろん、ストレスが溜まりやすい介護においても高齢者の聞こえ方を把握しておくと会話を楽しむ余裕に繋がるでしょう。